11月24(月)の毎日新聞【これってわがままですか?】の記事をご紹介いたします。
発語障害である吃音の30代男性は、勤務先の建設会社で
吃音で、電話対応が苦手と伝えても聞き入れてもらえず受話器を取るのをためらっていると、上司に叱られた。
同僚からも「なんでそんなことが言えないんだ」と怒鳴られ
名前が言えなかったときには笑われた。
20年5月、上司に障害者手帳取得の意向を伝えると
「じゃあ辞めろ」「辞めてから(手帳を)取れ」「(吃音を)隠して入ったんだろう」
その後手帳を取得し「吃音症状のため電話での発話に強い困難と不安を伴っている」
という診断書を提出したが 何も配慮が講じられることはなく、
電話対応から離れることはできなかった。
上司は、さらに辛辣な言葉を重ねた。「身を下げろ。」「エリア社員への降格を申し出ろ」
夜も眠れなくなり吃音も悪化し限界。22年12月、自己都合という形で退職。
障害者向けの合同就職説明会に参加し、都内の重工大手の採用が決まった。
転職した会社では、固定電話に出ることを免除された。
男性宛てに固定電話にかかってきた場合は男性の携帯電話に転送されるように配慮してくれた。
障害のある従業員が相談できる窓口も設けられている。
一人の人間として尊重されていると感じるという。
この会社の差を冷静に見つめることができるようになった男性は労働組合「総合サポートユニオン」に相談した。
組合のアドバイスを受け、24年10月から会社側に合理的配慮がなかったことへの謝罪などを求めて組合とともに交渉した。
会社側は今年、3月 合理的配慮をおこなわなかったことや、
上司の発言の一部がパワハラ行為に当たることなどを認めた謝罪文を提出、慰謝料や未払い賃金として解決金220万円を支払った。
障害者雇用促進法は事業者の過重な負担にならない範囲で、
障害者からの申し出により障害の特性に配慮した必要な措置を
講じなければならないと定める。
総合サポートユニオンの佐藤学さんは、「法律や制度があっても実際の労働現場では障害者の権利は守られておらず、差別もまだまだ根強い。
差別に遭った時は証拠を残し、相談機関や労働組合、弁護士とつながっておくことが大切だ」と指摘する。
総合サポートユニオン ℡ 042-227-2490
(平日17時~21時 日祝13時~17時 水曜・土曜休み)
東北地方の方は 仙台けやきユニオンへご連絡ください。
℡ 022-796-3894
(平日17時~21時 日祝 13時~17時 水曜・土曜定休日)
注意
※勤務先の固定電話、業務用の携帯電話からのご連絡はお控えください。
相談員からの折り返しの電話連絡や通信履歴等から、労働相談をしたことが勤務先へ漏れる可能性があります。